2012年から行われてきた将棋電王戦。この戦いが今年幕を閉じます。最後の戦いに挑むのは、山本一成さんが開発した将棋AIのPONANZA(ポナンザ)です。情熱大陸(5月21日放送)でこの山本一成さんが取り上げられ注目が集まっています。

今回は注目が集まっているPONANZAがどれほど強いのか、これまでどのような成績を残してきたのかを調査してみようと思います。

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PONANZAとは

2013年の第二回「電王戦」で初めて現役棋士を破るという快挙を成し遂げた将棋プログラムです。その後も改良が続けられており、“モンスター級の強さ”を誇ると言われています。

もちろん開発当初は弱く、開発者の山本一成さんがハンデ付きでも勝てていたそうです。

その後ぐんぐんと力をつけ、現在の敵なしの状態に至っています。

PONANZAの強さの証明、その驚くべき対戦成績

プロとの対戦結果

ここでは、PONANZAとプロ棋士の対戦成績をみていきます。なんと、2012年から行われていた電王戦で、負けなしの5勝。対人間の将棋とは勝手が違うとはいえ、プロを相手に圧倒する強さを誇ります。

第2回電王戦(2012年)

ここでは佐藤慎一4段と対戦、141手で勝利しました。この勝利は、正式ルールで行われた現役プロ棋士戦で初めてコンピューターが挙げた勝利でした。

この時の佐藤4段は、第1回電王戦で当時日本将棋連盟会長であった米長邦雄さんが打った対コンピューター戦に特化した作戦に基づく打ち方に違和感を覚え、「人間のプロ棋士」の誇りと意地をもって勝負に挑んでいます。

それを打ち砕いたPONANZA。開発者の山本一成さんの「情報科学の世界において大きな勝利です」というコメントが示すように、大きな一勝を挙げました。

第3回竜王戦(2014年)

第3回電王戦では、屋敷伸之9段を相手に戦いました。戦績は130手でPONANZAが勝利。見事プロ棋士を相手に2勝目を挙げました。

将棋電王戦FINAL(2015年)

2015年に行われた電王戦では、村山慈明7段と対決。この試合、97手でPONANZAが勝利を収めました。村山7段は事前にPONANZAと練習をしていますが、その時の勝率も1、2割だったそうで、本番では、奇襲作戦に出ましたが、PONANZAがこれにうまく対応し、PONANZAを破ることはできませんでした。後に村山7段は完敗ですというコメントを残しています。

第1期電王戦(2016年)

2016年から装い新たに開催された電王戦で、対戦する棋士は新たに新設された叡王戦の優勝者。この叡王は竜王、名人に次ぐ序列です。

2016年の相手は初代山崎叡王。2局の試合が行われていますが、このどちらにもPONANZAが勝利。どちらも付け入るスキのない完勝で幕を閉じています。

第2期電王戦(2017年)

今回の電王戦は最後の戦いとなると発表されていたもので、つい先日まで行われていた試合です。

5月20日に現役のタイトルホルダー・名人の佐藤天彦さんがプロ棋士のプライドをかけて2局目の勝負に挑みましたが、PONANZAは見事佐藤名人を退けました。

アマチュアとの対戦結果

アマチュア相手の戦績もありましたので紹介したいと思います。

第2期電王戦の直前イベントとして「人類vs電王PONANZA ?だれでも所持金300万円?」と題された対戦の結果ですが、ここで、は38名の挑戦者を全てはねのけています。

プロを相手に連勝しているのだから当然だろうとお思いでしょうが、この対戦は、PONANZAに不利な条件での対戦だったのです。

将棋で圧倒的に不利となる、角や飛車などの重要な駒をはじめから落としたハンディキャップ戦に挑んだPONANZAでしたが、これをものともせず、すべての挑戦者を破りました。

この強さは、「無双」といってもよさそうですね。

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PONANZAの強さの秘密

PONANZA開発者の山本一成さんによれば、将棋プログラムは大きく分けて2つの部分から成り立っているのだそうです。

一つ目が探索、2つ目が評価。探索は将棋でいう相手の手を読むことに相当します。コンピューターですので1秒間に何百万回も手を読むことができますが、ここから良し悪しを判断するのが評価部分です。

この評価部分が勝敗を大きく分けることになるわけですから、一層重要な部分ということになります。

昔は、駒の価値や駒の位置関係、手番といった将棋の局面を一つ一つ数値化して、手作業で評価基準を作りこんでいたため、評価部分の構築には年単位の時間が必要だったと言います。

それが今は、機械学習と言われる方法を採用することによって、圧倒的に早く、より賢く評価部分を構築できるようになったそうです。

機械学習では、ますプロの指す良い局面、悪い局面を多数覚えさせ、新しく遭遇する局面では、その覚えている局面をもとに最適と考えられる次の手を導き出していきます。

この仕組みは人間が学ぶ課程とそっくりですね。

PONANZAは将棋を打つたび新しい対策が打てるようになっているわけです。これは強いはずです。

この機械学習、現在ではディープラーニングとも呼ばれています。

多くの場合、もとになっているのは人間の脳内での反応を模擬したニューラルネットワークと呼ばれる計算のモデルです。

この手法はずいぶんと昔から存在していたのですが、計算量に当時の計算機のパワーがついていけず、答えを出すのにとても待ちきれない計算時間が必要だったため、実用化されていませんでした。

ところが近年、計算機の計算スピードが急激に早くなり、計算時間が長いという問題が解決され、機械学習機能を搭載した機械が現れ始めました。

PONANZAもこの一例ですが、PONANZAの活躍もあって、機械学習(ニューラルネット)は、一気に注目を集める技術となっています。

まとめ

今回は、PONANZAの強さについてしらべてきました。プロ棋士戦でもアマチュア棋士を相手にしたハンディキャップ戦でも圧倒的な強さを誇るプログラムであることわかりましたね。

この強さを支えているのは機械学習(ディープラーニング)であることもわかりました。

PONANZAは人間と同じように、経験を積めば積むほどこれに基づいて強くなっていく仕組みをもっているわけですから、人間がPONANZAを倒すのは至難の業であるように思いました。

最近よく目にする「機械にとってかわられる職業は…」といった広告がありますが、そんな世界が本当に間近にありそうだと、ちょっと怖くなってしまいました。

さて、機械と人間が勝負を行う電王戦は、2017年でいったん区切りのようですが、今後はこれに代わる大会が計画されているようです。おそらくここにPONANZAも参加するでしょう。

今後もどれほど強くなるのか、に注目してPONANZAを追いかけてみたいと思います。

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