4月27日、映画「光」の完成披露試写会が行われました。

本作については、去る4月13日に、第70回カンヌ映画祭のコンペティション部門に正式出品されるというニュースが報道されていましたね。

出品が決まった時、メガホンをとった河瀬直美監督は、主演の永瀬正敏さんに連絡したそうですが、号泣していたのだそうです。

河瀬直美監督といえば、1997年に「萌の朱雀」新人監督賞(カメラ・ドール)を史上最年少で受賞して以来、いくつもの賞を受賞するなどカンヌ映画祭との縁が深く、本作「光」までに、「萌の朱雀」を含めて6作がカンヌに出品されています。また、2013年にはご自身がコンペ部門の審査員も務められています

そんな経験豊富な河瀬直美監督が、出品を号泣して喜んだ「光」、いったいどんなストーリーなのでしょうか。

気になります。

今回は、「光」のあらすじを紹介するとともに、これまでの出品作品を振り返ります。

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「光」それは光を失いゆくカメラマンラブストーリー

「光」は同じくカンヌ映画祭に出品された「あん」制作時のエピソードがもとになっているとのこと。河瀬監督作品の中では、「あん」がはじめて音声ガイドを導入した作品。音声ガイドとこれに携わる人たちをきっかけになって「光」は生まれました。

なんと、半年間も構想を練って脚本が完成したのだそうです。

弱視のため、徐々に視力を失いつつある天才カメラマン雅哉は、映画の音声ガイドの制作に従事する美佐子と出会います。

当初は音声ガイドの制作をめぐって衝突したり、雅哉の無愛想な態度に対して、美佐子が反感を覚えたりと、うまくいく二人ではありませんでした。

衝突しながらも徐々に交流を深めていたある日、美佐子は雅哉が撮影した夕日の写真を見ることになり、その写真に感動を覚えます。そして、いつかその場所に連れて行って欲しいと思うように。

さらに、視力を失っていく雅哉を見ているうちに、美佐子の気持ちに変化が表れます。

やがてお互いに惹かれあい、恋に落ちるということですが、

 

目が見えなくなる雅哉と美佐子にはどのような結末が待っているのでしょうか

 

「やがて見えなくなるあたなが 沢山のものを見せてくれた」

この一文が暗示するのは、悲しい結末なのでしょうか。それとも。

 

本作は、5月27日の公開。結末は映画館で確認するしかないですね!

 

カメラ・ドール受賞作「萌の朱雀」

本作品は、山村の過疎化の現実とそこに生きる人々の生活、感情を描いた作品で、代々林業を営む幸三一家を中心に描かれます。

村人たちは穏やかな暮らしをしていましたが、過疎化が進み平穏な生活に陰りが見え始めます

そんな中、村に鉄道を通す話が持ち上がり、村人は過疎を食い止めるいい機会だと期待を持ちますが、この計画が途中で頓挫することに。

そして15年が経過。一家にはいったいどのような変化があったのでしょうか。

国内では、あまり話題にならなかった本作ですが、ロケ地の中学校で掃除中だった尾野真千子を抜擢しヒロインを演じさせたという逸話も持った作品です。

 



 

初めてのコンペ部門出品作「沙羅双樹」

本作「沙羅双樹」は双子の兄の失踪という悲しみを背負った少年の成長をつづった人間ドラマ。母親役をなんと河瀬監督自らが演じました

あらすじはこうです。

双子の少年たちが駈け抜ける。ふと気づくと、ひとりきりになっている弟。神隠しにあったように兄は姿を消していた。5年後の夏、高校生になった弟の俊は、行方不明のままの兄への複雑な思いを抱きながら絵を描くことに没頭する。そんな俊を、幼なじみの夕がひっそりと見守る。そして、俊の父が心血を注ぐ「バサラ祭」が近づいたある日、刑事が訪ねてきて行方不明である兄の情報が入ってくる

兄が失踪し、心にポッカリと穴が空き、やり場のない思いに苦しむ家族。弟は最後まで一緒にいたのに兄を見失ってしまったことで自分を責め苦しみます。父と母も息子を失ったことの悲しみから抜け出せないでいました。
それでも弟はキャンバスに兄への想いを描き、父は「バサラ祭」を企画して自分を奮い立たせます。母は新たに授かった命を喜び、家族の絆の再生を願います。

そんな中もたらされる兄に関する情報。一体兄に何がおきたのでしょうか



 

審査員特別グランプリ受賞作「殯(もがり)の森」

山間地に建つグループホーム。そこでは、軽度の認知症を患った老人たちが介護スタッフと共同生活を送っていました。

33年前に亡くした妻を想う認知症の老人もそんな中の一人。妻への思いを秘めつつ、静かに暮らしていました。そんなある日、新しい女性介護士が赴任してきます。実は彼女も幼子を亡くすという、悲しい過去を持っていたのでした。

本作はこの二人のふれあいを通して人間の生と死を描く人間ドラマです。

監督曰く、生き残った者と死者との「結び目のようなあわい(間・関係)を描く物語」を目指した作品とのことです。


まとめ

今回は、河瀬直美監督の7度目のカンヌ国際映画祭への出品作「光」を特集しました。

河瀬直美監督は、1997年、2007年と10年ごとにカンヌ国際映画祭で賞をとっており、ちょうど10経過した今年、『光』でもグランプリを受賞するのではないかと噂されてるらしいですよ。

また、過去の受賞作3作品を紹介しました。各作品の美しい映像も見どころです。